ちょーさんメモ出張版 気まぐれブログ

ちょーさん(@cho_san111000)のブログです。数学やその他のことを書きます。更新頻度はちょーさんの気分次第です。

コンパクトアーベル群と離散アーベル群の双対性

最近ずっとポントリャーギン双対の勉強をしています。

というわけで、りす.さんの2022年度Math Advent Calendarの記事としてコンパクト-離散双対の記事を書きました。

せっかくなので少しお話を…

まずポントリャーギン双対とは局所コンパクトアーベル位相群の反変自己圏同値のことをいいます(本記事では位相群はハウスドルフとします)。つまり、局所コンパクトアーベル位相群の圏を {\bf LCA}として

 {\bf LCA}\simeq{\bf LCA}^{\rm op}

が成り立ちます。

これに対し今回示したコンパクト離散双対はコンパクトアーベル位相群の圏 {\bf CA}と離散アーベル位相群の圏 {\bf DA}の間の反変圏同値

 {\bf CA}\simeq{\bf DA}^{\rm op}

です。

 {\bf CA} {\bf DA}はどちらも {\bf LCA}の充満部分圏でありコンパクト離散双対の圏同値はポントリャーギン双対の圏同値を制限したものになっています。この意味でコンパクト離散双対はポントリャーギン双対の特別な場合にあたります。

あと別の見方として {\bf DA}はアーベル群の圏 {\bf Ab}と自然に同一視できるのでコンパクト離散双対はアーベル群の圏の反対圏をコンパクトアーベル群で特徴づけるものとも解釈できます。面白いですね。

 

実はこのpdfの内容はポントリャーギン双対の証明の途中段階だったりします。今自分がとってる証明の方針ではこのコンパクト離散双対とそのほかいくつかの具体的な群の双対対応を用いて一般のポントリャーギン双対を示します。そのために局所コンパクトアーベル位相群のいい感じの部分群をとったりその部分群をいい感じに構造分解したりするんですがそのあたりはまだ勉強中です…勉強できたらまた記事にまとめるつもりです。

最近発売されたポケモン新作をやりながらまったり勉強していきます。